りんご学〜蜜入り林檎の秘密〜
完熟したリンゴを切ると、
芯の周辺が黄色く透き通っていることからリンゴの「蜜」と呼ばれています。
実はこの「蜜」、収穫後、約1ヶ月で消えてしまうのです。
蜜の入る過程は、光合成を経て葉で作られる養分が、
「ソルビトール」と呼ばれる糖質となり果実中に溜まります。
その溜まった「ソルビトール」が、「ブドウ糖」や「ショ糖」などの他の糖分変えられます。
その結果、リンゴは甘くなるのですが・・・、ここで一つの特性が働きます。
それは、「蜜のできる品種」では、成熟するに従い、
果実中に溜まった「ソルビトール」を糖分へ変換する能力が低下してくるのです。
そして、この溜まりすぎた「ソルビトール」は、糖分へ変換されない代わりに、
周囲の組織から「水分」を吸収する働きを起こし、「蜜」のような状態になるのです。
もともと「蜜」は「水分」なので、リンゴ自体は「呼吸」作用が働くことから、
収穫後約1ヶ月で蒸散し、消えてしまいます。年を越したリンゴから、
蜜が消えてしまうことも以上のような結果によるものです。
「蜜」自体は、特に甘いわけではありません。
しかし、この「蜜」は果実中に糖分が増し、リンゴが完熟している「目印」なので、
「蜜入りリンゴ」は「甘く美味しい」と言えるのです。
ちなみに、蜜の入る品種は、「ふじ」や「北斗」、「デリシャス」です。
また、入らない品種は「王林」「つがる」「ジョナゴールド」などがあげられます。
りんご学〜蜜入り林檎の秘密〜でした。
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- 2011.01.31 Monday
- りんご学
- 08:20
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- by seiki fujita